恥ずかしながら、誰よりもたくさん婚活をしてきた。こんなに出会えるのにどうして成婚できない?【石神賢介】
アプリ、相談所、パーティー、バスツアー……。いとも簡単にマッチングできる現代の婚活事情
◾️婚活アプリへの登録に抵抗がない時代
しかし、時代は変わった。30代以下の世代は、婚活アプリへの登録に抵抗感がない。
前述のとおり、婚活アプリでは気に入った相手に気持ちを伝え、相手が応じるとマッチング成立となる。アプリを通して、パソコンやスマートフォンの画面上で会話することができる。アプリによっては、有料のオプションでメッセージも添えられる。
南無妙法蓮華経美人には次のようなメッセージを送った。
「はじめまして。ケンスケといいます。プロフィールの〝なんでも話し合える男性〟に共感しました。僕もなんでも話し合える女性を探しています。ご自身でビジネスをされているところにも魅力を感じました。お写真の笑顔もとても素敵です。お話するチャンスをいただけませんか? 僕は本を書く仕事をしています。小説ではなく、さまざまなジャンルのノンフィクションを書いています」
翌日彼女が承諾してくれて、マッチングが成立した。
「ウッシャ!」
テンションが上がった。すぐにお礼のメッセージを送る。
「僕の申し込みをご承諾いただき、ありがとうございます! うれしいです! このアプリでお話して、僕に安心していただけたら、実際にお目にかかりたいです。よろしくお願いします」
婚活アプリには、ロマンス詐欺、金融商品の営業、物販、宗教の勧誘などを目的とした登録者が一定数いる。だから、自分が怪しい者でないことを示す必要がある。とはいえ「僕は怪しい者ではありません」などと言っても、よけいに怪しい者に感じられてしまう。仕事内容とか、趣味嗜好とか、ごく当たり前のやり取りを通じておたがい信用していくしかない。